2020.11.13 私と印刷の組合
緑青会への入会
9年前に入社した当初、私は印刷の組合への参加に否定的でした。自社の事業へのメリットを感じなかったのと、前社長の父が時間を割いて熱心に活動していたことへの反発もあったと思います。入社してしばらくはいろんな誘いを断っていたのですが、今から4年前に若手の経営者で構成される二世会(緑青会)に入会することになりました。仕事に慣れてきて余裕ができた頃でもあり、錚々たる他社の社長様たちに必要とされたことを嬉しく思ったのを覚えています。
京都での研修旅行
緑青会に入会したものの、1年ほどは多忙を理由にあまり積極的に参加していませんでした。そんなとき京都での研修旅行に誘われました。祇園の料亭で行われるとのことで、近いし、普段ではなかなか経験できないだろうと思い参加することにしました。京都ではとても楽しい時間を過ごすことができました。参加された方々と夜遅くまで、仕事のことプライベートのことなどを話しました。この会では自社や自身について赤裸々に語り合うことが普通なのだとわかり、私の組合への見方が変わりました。
研修旅行②(しまなみ街道)
翌年の緑青会の研修旅行では、しまなみ街道へサイクリングに行きました。新しいことへのチャレンジをテーマに旅行を企画しているようです。運動不足の私の体力で大丈夫か不安でしたが、水分補給を心がけ無事行程を完走することができました。サイクリングは想像以上の爽快感で、良い経験をさせていただきました。
大阪青年印刷人協議会への参加
組合の行事に参加し始めて2年が経ったとき、大阪青年印刷人協議会(大青協)への参加を勧められました。大阪府の各二世会から代表で数名ずつ参加しているようで、前任者と入れ替わりでと声をかけてくれたのが緑青会で特に仲良くしていただいていた先輩でした。よく知らない組織への参加ということで不安もありましたが、二つ返事で了承しました。会に参加して驚いたことは年齢層の低さでした。初参加の緊張で固くなっている私には、30代から40代前半の方が中心となって活躍している姿は眩しく映りました。
大青協の定例会
これまで組合の活動といえば年に2~3度の行事への参加だったので、大青協で毎月定例会を行うことに最初は慣れませんでしたが、すぐに抵抗感はなくなりました。年の近い経営者や次期経営者たちと話すのは殊のほか楽しいものでした。会議の後はいつも懇親会を開き夜遅くまで盛り上がりました。今はコロナ禍のため会議への参加はZOOMで、懇親会もできず残念です。
初めての司会進行
大青協に参加して半年が経ち、勉強会での司会を任されることになりました。司会をするのは生まれて初めてのことで、正直どうなることかと思いました。進行台本ができてからの1週間は、自分なりに納得のいく司会ができるまで毎日練習しました。当日はなんとか4時間の長丁場をやりきることができ、参加者からは上手くできていたと好評でホッとしました。組合において経験の浅い私が、この時ようやく大青協の仲間になれたと実感できたように思います。
大青協副議長の拝命
大青協は1名の議長と4名の副議長を主軸に運営されています。会に参加し始めて1年が経ったとき、次期の副議長をやってほしいと頼まれました。なぜ参加して日が浅い私にと不思議に思いましたが、声をかけてくれたのは年下ながら次期議長であり特にリスペクトしているメンバーの一人でした。力になりたいと思い引き受けることにしました。1、2年前の私であればまず引き受けることはなかったと思います。組合と出会って、心境の変化というか自身が少しでも成長しているのかもしれないと感じました。
組合の活動
組合の活動に参加し始めてもうすぐ4年になります。最初は参加を渋っていたものの、今では良かったと思っています。勉強や遊びを通して、自社で仕事をしているだけでは経験できない楽しさと自身の成長を感じることができました。自社の代表に就任して特に思うことは、私が変わらなければ会社も変わることはできないということです。これからも組合に仕事に全力で取り組んでいきたいと思います。今、大青協では来年1月の勉強会に向けて準備を進めています。初の試みであるウェビナーでの開催にハードルを感じていますが、しっかり準備して成功させたいと思います。
メリットは…
最近、組合参加のメリットを聞かれることがあったのですが、上手く答えることができませんでした。いつの間にか損得関係なしに参加するようになっていたようで、改めてメリットについて考える機会になりました。一つは会社にとって必要な最低限の情報は入手できていると思います。例えば「事業承継」とか「マーケティング」については以前セミナーで勉強しました。会社見学では他社の新しい技術を目にすることができました。もう一つは精神的に支えになっている部分があります。プライベートの友人関係で会社の経営者と話すことはほとんどありませんが、組合に行けば皆が同業の経営者です。これまで後継者としてのプレッシャーを重荷に感じることがありましたが、それがあたりまえの世界に入るとさほど気にならなくなりました。そして最後に私自身が楽しんで活動できていることです。いつも仕事と育児に忙殺されてほとんど自分の時間を持てないのですが、組合での活動は「自分の勉強のために時間を使っている」と感じています。私自身の成長は自社に資すると思います。メリットがあるかどうかは自身の関わり方次第で、それぞれに組合との程よい距離感があるのではないでしょうか。
仕事もプライベートも
大青協に参加し始めて2年が経ち、プライベートで飲みに行ったりゴルフに行ったりする友人たちができました。元々出不精な私ですが、いろいろ誘っていただき世界が広がったように思います。仕事においても気兼ねなく相談できるので、頼れる仕入先が増え、時々見積をさせてもらうようにもなりました。参加メンバーの各社がどのような印刷を得意としているか分かってきたので、互いに相談しやすくなったと思います。ここでガッツリ商売をする気はありませんが、仕事でもプライベートでも良い関係を続けていきたいです。
パターンランゲージを学ぶ
東京青年印刷人協議会の定例会で開催された「パターンランゲージを学ぶ」セミナーに参加しました。パターンランゲージという聞き慣れない言葉ですが、要約すると「状況・問題・解決」をパターンとして「言語化・共有」する手法のようです。誰もが持っている「実践から得た解決のコツ」を対話から掘り出し、言語化することにより誰でも参考にできるようになります。私もこれまで上司から「見て覚えろ」的な指導で苦戦した経験がありますが、それもそのはず実践から得たコツを伝えるのは難しいことです。今回のセミナーで行ったワークショップはパターンランゲージのほんの入り口のようですが、全国から参加された方たちとそれぞれの経験や考えについて対話し、普段使わない頭を使った気がします。私はZOOMでの参加で、スマホを使っていたためにワークシートに入力できないアクシデントがありましたが、シートが白紙の私に対して大阪から参加の先輩がチャットで声をかけてくれたり、東京の議長さんが指示をくれたりしてスムーズにグループワークを行うことができました。今度は私たちが近畿ブロックで同様のセミナーを行うことになっているので楽しく充実した内容にできればと思っています。
運命の出会い
7月2日に大青協ではCCG HOLDINGSの北田社長をお招きして勉強会を開催しました。「今こそ経営者が向き合うテーマ」について1時間ご講演いただき、「成長に必要なこと」をテーマに1時間ディスカッションを行いました。講演では目からウロコの多くの気付きがあり、ディスカッションでは私たち若手経営者の悩みや疑問に200%の答えを返していただきました。最高に贅沢な時間でした。経営者に必要なセンスとスキル、日常的に行うべきことなど様々なことが言語化され、私自身社長には就任したものの経営者にはなれていないことに気付きました。今日から私は、良い経営者になることを目指してできることをやっていきたいと思います。
学びの場としての組合
組合の活動に参加し始めて5年が経ち、組合への認識はずいぶん変わったように思います。最近までは他社の経営者との交流が楽しく、懇親の場として参加していましたが、大青協への参加をきっかけに組合は学びの場へと変わりました。若手の経営者の中には経験が足りず学びの場も少ないことから、コロナ禍での経営不振に一人で悩んでいる方もいるのではないかと思います。全ての加盟社に対して最適な学びの枠組みは今の組合にはないかもしれません。組合の活動に関心を持てない方も多くおられると思います。しかし私がこれまで経験した活動の中では「若手の学び」という面において、一番の価値があるのではないかと感じています。
イベント企画
組合の行事でイベントを企画しました。社内では伝票を作っている私がこんな経験をできる機会はめったにありません。ちょうど自社でプロモーション事業をやろうとしているところで、本を読んだり実績のある人に話を聞いたりしていましたが、実際にやってみると理解度が全く違いました。今回のターゲットは子ども連れのファミリー層で、どんなワークショップが人気があるか調べたり、いくつか候補を出して自分の子どもや妻に聞いてみたりもしました。会場の選定、講師との打ち合わせ、備品の用意、タイムスケジュール、集客など仕事の傍らでいろいろやることがあり忙しいですが、組合の予算でこのような勉強をさせていただけたのは非常に有難いと思います。
カードゲーム作成
2022年2月に開催されるプリントネクストの近畿ブロックメンバーに選ばれました。プリントネクストは2年に1回開催される印刷青年団体の全国大会です。近畿ブロックチームでは子ども食堂の支援を目標に、遊びながら子ども食堂について周知し学生ボランティアを定着・募集することができるカードゲームの作成を行っています。子ども食堂でのヒアリング、カードのデザイン、ゲームのルール策定を経てだんだん良くなっていく作品に何とも言えない充足感を感じています。できたカードを使って子ども食堂や大学のボランティアサークルでワークショップを行う予定ですが、大学生との打ち合わせの中で私たちの取り組みに共感・賛同してもらえた時は感動すら覚えました。残念ながら普段印刷の仕事をしていて面白いと思うことはあまりありません。斜陽産業と言われて久しく、安価にミスなくできて当たり前、前年実績をクリアするので精一杯の現状では達成感を感じるのは難しいです。プリントネクストの今までと違う印刷の取り組みの中で、小さな成功体験を重ねることによって「印刷に関わる自分」に対する肯定感が芽生えつつあるのを感じます。社会課題の解決やユーザーとの共感など、考え方次第で印刷業の枠組は大きく広げることができるようです。従来やったことのないカテゴリの中で、本当にやりたいと思うことを自社の事業に取り込むことができれば「印刷」が面白くなってくるかもしれません。
プリントネクスト2022
2月12日、東京で開催されたプリントネクスト2022に参加してきました。前述の通り私も近畿ブロックのメンバーとしてカンファレンスで登壇しましたが、今回のタイトル「印刷を再定義」に相応しい内容であったと思います。近畿ブロックではカードゲームの作成ということで、やったことのない取り組みにワクワクしながら活動してきましたが、北海道ブロックでは「エゾシカを使ったカレー」、四国ブロックでは「お遍路の疑似体験」、中部ブロックでは「廃材を使った楽器演奏」など何でもアリな活動内容でありながら、全国の各ブロックがパートナーの課題解決に寄与している様は、ソリューションプロバイダーとして再定義された印刷会社の姿を現していると感じました。私の中では「何でもアリ」でいいんだという再認識と、自社のビジネスに生かすにはクライアントとの関係性が重要で、従来の「お客様と業者」ではなく課題解決や目標達成に向かう「パートナー」になる必要があると思いました。
経営トランスフォーム委員会
大阪府印刷工業組合の経営トランスフォーム委員会に参加することになりました。今まで参加してきた若手中心の青年会に対して「親会」の委員会です。親会には50代以上の重鎮ばかりが参加されているイメージでこれまで近寄りがたい印象を持っていましたが、先日第一回の委員会に参加してみると意外に若手が多く、私と同様に組合に入って5年以下ぐらいの活動歴の浅い方も多く参加されていて、思っていた感じとはずいぶん違っていました。ただ活動内容は今までより高度なもので、会社組織の変革、業態の変革、そして経営者のマインドリセットを目的として、次世代経営者ネットワークの発足や経営環境に即した中期経営計画のカリキュラムづくりなど簡単ではない内容ではありますが、優しく真面目なリーダーとムードメーカーの副リーダー、そして新しくできた仲間と親睦を深めながら楽しくやっていけそうです。
緑青会の研修旅行
これまでコロナ禍で中止となっていた緑青会の研修旅行に2年ぶりに行ってきました。新型コロナウイルスの感染状況が収まらない中、不謹慎かもしれませんがメチャクチャ楽しかったです。国会議事堂の見学ではテレビでしか見たことのなかった会議場に入り、横須賀軍港めぐりでは自衛隊と米軍が保有する新旧多数のイージス艦を間近で見ることができ、写真を撮るのに夢中になりました。印刷博物館の見学では印刷のルーツについて知り感慨深いものがありました。安土桃山時代にはイエズス会によってグーテンベルグの活版印刷技術が持ち込まれ、豊臣秀頼や直江兼続らが競うように印刷事業を展開したそうです。江戸時代に入り徳川家康が「駿河版」と呼ばれる銅活字を用いた印刷・出版に注力しましたが、家康の死後は金属活字による印刷は急速に衰退していきます。その後、活版印刷が復活するのは幕末になってしまいますが、家康の命で鋳造された当時の銅活字は今も印刷博物館で保管されています。印刷を通して過去と未来がつながっていることを強く感じることができた研修旅行でした。
マネージメントゲーム研修
先日、組合で知り合った同業の社長様に誘われてマネージメントゲーム研修(MG研修)を体験してきました。今回のMG研修は製造業の会社を経営するボードゲームで、6社で業績を競いました。自分のターンがまわってくると設備購入、雇用、製造、販売などの中から1つ選び事業を進めます。銀行から借り入れたり経費が発生したり、収支が発生するたびに資金繰りを記入し、期末には決算書を作成して損益と資産を確認します。ゲームの攻略としては設備を増やしてたくさん販売するということだと思いますが、製造業然とした設備至上主義には違和感を感じつつも、元々ゲーム好きな私は夢中になって楽しみました。一番の収穫は資金繰り、決算書を遊びながら学ぶことができ計数に対する苦手意識が薄れたことです。これまで自社の決算書は顧問税理士から説明を受け分かったつもりになっていましたが、より深く読み込んで「数字の意味」を理解したいと思うようになりました。またそれによって誤った舵取りをすることなく事業を進められると確信しました。
全青協近畿ブロック協議会2023
11月5日、全国青年印刷人協議会の近畿ブロック協議会に参加してきました。13時~17時の勉強会と18時30分~の懇親会の2本立てで行われ、今回は近畿各地や全国からの参加者のアテンド役でもありました。大阪のメンバーと下見から前夜祭、そして当日も楽しみながらやり切ることができました。また普段話すことのない全国の方々と親交を深められたのは大きな刺激となりました。全国のリーダー格の方々は皆強烈なキャラクターで圧倒されましたが、それも人脈を広げるのに必要なリーダーの資質だと感じました。組合では仕事のことや経営について相談できる、同年代の横のつながりを作れることが最大のメリットだと思います。そのためには自分をさらけ出す「オープンマインド」が重要です。
キックオフコンベンション2023
大阪青年印刷人協議会では1月14日(土)大阪産業創造館においてキックオフコンベンション2023を開催しました。印刷業界でもデジタルデータの価値が注目される中、TV出演もされたメタバースの専門家、三木康司氏を講師にお招きしご講演いただきました。特に興味深かったのは、AI技術の急速な進歩によりあと数年でシンギュラリティ(技術的特異点=人類の知能をAIが大きく凌駕すること)が来るであろうということ、そしてビジネスシーンはメタバースを含むオンラインが中心となり、プライベートシーンでは逆にアナログな実物や実体験が高級品として嗜好されるようになるであろうと語られました。
第36回全国協議会
2月4日(土)東京お台場にて全国青年印刷人協議会による第36回全国協議会が開催されました。私は初めての参加で、全国から集まった印刷関係の若手経営者約170名に圧倒されました。「本業を変えない儲かリノベーション」をテーマに勉強会が行われ、いかに業態変革を行っていけば良いか分かりやすく講演していただき、9社による事例の発表はとても参考になりました。懇親会では千葉や東京の方と親しく話しをさせていただきました。同業で年が近いこともあり、共通の話題で楽しい時間を過ごすことができました。
ものづくり委員会
2月18日(土)大阪福島印刷工業会主催の「ものづくり委員会」に参加しました。東大阪の作道印刷様を訪問してパッケージ製造の工場見学と「見える化」のセミナーを拝聴しました。同じ印刷会社といってもパッケージの製造設備は当社とは何もかもが異なり、特に板面制作やトムソン(型抜き加工)、グルア(貼り加工)など初めて見る工程はとても興味深く、胸が高鳴りました。セミナーについては大変失礼ながら「見える化」という言葉のありふれた響きにあまり期待をしていなかったのですが(←本当に失礼)、同社が取り組まれている各工程のプロセスや損益を社内で共有する手法をご紹介いただき、経営者になって二度目となる衝撃を受けました。製造工程における「時間=コスト」の概念や、営業職の受注プロセスの共有は当社においても最大の課題で、言語化することができず長年どんぶり勘定の域を脱することができませんでした。今回、そのノウハウを惜しみなく授けていただき誠に感謝いたします。作道印刷様は数年かけてこの「見える化」によってコスト削減を徹底されてきたとお聞きしました。当社も今日から徐々に変わっていき、数年後には「見える化」された会社になっていたいと思います。印刷組合の勉強会では商売とは違った視点の、「経営者としてやるべきこと」を少しずつ拾わせていただいています。
ケースメソッド
3月4日(土)大阪産業創造館にてケースメソッドセミナーに参加しました。メソッドとは「型」つまり経営の型を学ぶセミナーです。印刷需要が減少し窮地に陥った仮想の印刷会社をモデルに、参加者6~7名が1チームとなってこの会社の舵取りを行います。経営資源や強みを活かし、弱みや脅威をチャンスに変えて経営の立て直しを図りますが、答えに正解はなくチームメンバーの考え方や価値観によって多様なストーリーが導き出されます。大きく考え方が分かれたのは、人員整理をしてファブレス化するのか、それとも人材を活かして業態変革するのかといったところで、私のチームでは設備はある程度整理してアウトソーシングするものの、製造の後工程であるアッセンブリ(組立・内職)を強化して自社で行うということになりました。チームで考えを出し合うことによって、1つの案に対してより良いオプションが付いていき、1人では到底考えつかない方向に進みます。別のメンバーでまた同じセミナーをやれば違った結果になるでしょう。今回のセミナーは印刷組合の取り組みの中でも画期的だと思いました。これまで行ってきたケーススタディでは「良い話を聞いた」とその場で終わってしまいますが、今回は参加者皆が経営の主役であり、仮想の会社はとても他人事とは思えないモデルで、経営立て直しのプロセスをじっくり学んで帰れたと思います。
印刷経営革新塾
4月より「印刷経営革新塾」に通うことになりました。40代以下の若手経営者向けの塾で経営革新計画の策定を目標としています。先日のケースメソッドと同様に新規事業・業態変革がキーポイントとなっており、やはり将来に向けて会社をどのように変えていくかというのが、印刷会社の経営者にとって最も関心が高いのだろうと思います。元々勉強はあまり好きではないのですが、最近は頭がパンパンになるぐらい何かと勉強会に参加しています。今のところ苦になっていないのは同年代の経営者と一緒にやっているからというのもありますが、一度学んだ考え方やワードが別の所で出てくると、途端に理解度が増して楽しくなるという不思議な感覚があります。塾への参加を決めたのは経営者に必要な知識やスキルを学びたいというよりは、会社の経営を続けていくための「熱量」を身に付けたいと考えたからです。いつも印刷組合で経営者に囲まれて何をやっているのかと考えた時に、自分に足りないものは経営者としての気概かもしれないと気付きました。小手先のテクニックよりも、何としても会社を成長・存続させたいという想いを自分の中から見つけることができればと思っています。
印刷経営革新塾②
2023年4月22日・23日の2日間、印刷経営革新塾の合宿に参加してきました。経営理念を作るための合宿です。舞洲のホテルで土曜日の朝10時から講義が始まり、その日は夜中の3時まで課題を作成していました。翌日の日曜日は朝8時から夕方4時まで発表を行うという、ハードなスケジュールでしたが集中していたため時間がすぎるのはあっという間でした。そこで私は頭が沸騰するぐらい考え、アドバイスをもらい、ダメ出しされて追い込まれ、最終的にある強烈な気付きを得ることができました。それは前述していた「経営者の気概」に近いものだと思います。なぜ私は自分の会社を経営しているのか、私の役割とは何なのかという問いに腹落ちする答えが見つかり、一本の芯が通ったかのような感覚です。講師の方いわく、それは元々自分の中にあったものに気付いただけなのだと。そして24日の月曜日、合宿で作った経営理念を朝礼で発表したときにわずかに感じた社員の変化に震えました。明確な判断基準ができたことによって、合宿の前と後では見えている景色が全く異なるものとなりました。経営者としてスタートラインに立てたような気はしますが、ビジネスで成功できるかは私の力量次第といったところなので、まだまだこれからが肝心です。
大青協議長を拝命しました
バタバタしていて更新が一年ぶりになりました。コロナ禍ショックを経て仕事は通常運転に戻り、初めて参加した組合の委員会や印刷経営革新塾、その他の勉強会などで慌ただしくあっという間の一年でした。そして私は2024年4月から大青協(大阪青年印刷人協議会)の議長を拝命することとなりました。大青協は組合の青年部にあたる若手経営者や経営幹部の集まりです。普段から同年代の輪を広げようと心がけていたことが功を奏し、新規加入を含め24社という大所帯でのスタートとなりました。初めての大役に皆の前で所信を話す際には足が震えました。定例会のあとはチンチン電車を貸し切っての歓送迎会を開催し楽しいひと時を過ごしました。月に一回の定例会だけでなく、委員会・ゴルフコンペ・支部の会合・仕事の相談や打ち合わせ・プライベートの懇親会などで一部の大青協メンバーとは何度も顔を合わせます。そんな中、組合に参加するようになって漠然と感じていたことが確信に変わりました。それは「人と人が繋がることによって幸せを生み出す」ということ。これは仕事においても私生活においても同じことが言えると思います。
全青協正副議長会議
大青協の議長になると自動的に全国青年印刷人協議会(全青協)の近畿ブロック担当副議長になることがわかりました。2024年8月には東京で行われた全青協正副議長会議に参加してきました。全青協が主催する勉強会の打ち合わせとリハーサル、夜は屋形船で懇親会をやりました。神田川から隅田川に入り、東京湾に出てまた戻ってくる間に東京タワーやスカイツリー、レインボーブリッジなど名所を見ることができ東京の夜景を満喫しました。参加した方からはいろんな話を聞くことができました。オンデマンドの印刷会社が今ではお洒落なTシャツショップになっていたり、当社と同じように伝票を作っている会社がラーメン屋を展開していたり、ガチャガチャに力をいれている会社もありました。共通して言えることは新規事業を軌道に乗せるのは難しく皆さん苦労されているということと、労力をつぎ込むことができるぐらい熱量のある「好きなこと」を手掛けているということです。「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という言葉を聞いたことがあります。熱意が0では結果も0になるということなのでしょう。当社も新たな取り組みとしてECサイトや商品開発を考えてはいますが、どれほどの熱意をもって取り組むことができているか、新規事業開発においては私が熱意を傾けられるコトに焦点を当てるのも良いと思いました。