2020.11.06 社長の日記
社長に就任しました
この度社長に就任しました谷口和宏です。今年で40歳になります。趣味は特にないのですが、しいて言えば6歳と9歳の息子と遊ぶことでしょうか。谷口印刷に入社して9年目になり、印刷のことがようやく分かってきたように思います。コロナの影響で大変な時期に就任となりましたが、粉骨砕身で頑張りますのでよろしくお願いいたします。
表 裏
最初の仕事は…
就任して最初の仕事はウェブサイトの公開と名刺のリニューアルとなりました。「伝統」と「信頼」をテーマに制作を進めてきましたが、とてもカッコよくデザインしていただきデザイナーの萬本氏に感謝です。近々、会社案内もリニューアルしたいと思っています。
スローガンは「銀行品質」
当社では銀行向けの帳票を多く取り扱っています。求められる品質に応えることができるよう万全の検品体制で製造していますが、何より社員全員に帳票を生業とする誇りをもって働いてもらえたらと思っています。「銀行品質」をスローガンとして共有するためポスターを作りました。
お祝いありがとうございます
就任してから間もなく、たくさんのお祝いをいただきました。電報、お花、お酒、お菓子などを次々といただき、こんなにお祝いしてもらったのは生まれて初めてです。皆さま本当にありがとうございます。
整理・整頓を進めます
現場が整然としていないことが原因の潜在的なミスやロスがあるのではと考え、社内の整理・整頓を進めることにしました。いきなり「5S」と言ってもみんなピンとこないようなので、まずは毎日帰り際に5分間の掃除と備品の片付けを行うようにしました。不用品の廃棄と在庫品の整理も同時に進めていきます。
用紙在庫を整理しました
やはり整理されていると使いやすいです。用紙を発注する前に社内在庫がないか確認を徹底しています。上質紙と感圧紙はだいたい整理できたので、次は色上質を色別・厚み別に整理していきたいです。
勉強会に参加してきました
10月24日、全青協主催の近畿ブロック協議会に参加してきました。UMOさんによるデザイン思考のセミナーは特に勉強になりました。「ソリューションプロバイダーとしての印刷会社」の考え方は、自社に持ち帰って実践したいと思います。またグループディスカッションではリーダーをやらせていただき良い経験になりました。
コロナ対策を徹底しています
2020年初頭から新型コロナウイルスの感染が広がり始め、11月現在では感染拡大の第3波が来ようとしています。当社での感染対策としては、まず通勤時の感染リスクを減らすため営業時間を8時~16時30分に変更しました。社内においてはマスクの着用、入室時に手指のアルコール消毒、ドアノブやプリンターなどの共用部分のアルコール消毒を徹底しています。私生活においても、大人数で集まらない、人が密集する場所に行かないなど感染防止を心がけています。
断裁機のメンテナンス
前々から製本工場の断裁機をメンテナンスしたいと思っていましたが、ついに変な音がすると現場から報告がありメンテナンス業者に電話をしました。すると電話がつながらない…平日なので休業日ではないはずですが、何度電話してもやはりつながりません。急遽、別の機械のメンテナンスをお願いしている会社に相談すると、そちらで作業してくれることになり事なきを得ました。一瞬ヒヤリとしました。機械は不調にならないと業者を呼ばないため、前の方とは疎遠になってしまっていたと気付きました。今回助けていただいたお会社とは関係を密にし、今後は機械のメンテナンスにも万全な備えをしていきたいと思います。
(グラフはダミーです)
コロナの影響
新型コロナウイルスが流行し始めてもうすぐ1年になりますが、7月の決算では前年比98%ほどの業績に留まりました。チラシやパンフなど販促系の印刷物は売上を落しましたが、逆に当社の得意とする帳票の売上が伸びたためです。ただ今期に入って大きく影響がでてきています。8月から帳票においても受注減が続いており、決して楽観視できなくなってきました。この状況がいつまで続くかわからないので、経費削減を含む抜本的な改革を進めていきたいと思っています。
JP展に行ってきました
11月19日、印刷の組合でJP展に出展するということで手伝いに行ってきました。go to商店街をテーマに6つのブースを出しており、朝到着してから各ブースの説明を受け店番をしました。見に来られた方に説明しながら、私の方が勉強させてもらった感じです。
2工場の統合
経費削減を模索する中で、当社の2工場を統合できないかと考えています。製本設備を本社内に移転して、コンパクトな作業環境を目指します。現状、本社には空いているスペースがないので、不要な物を廃棄してスペースを作り出す必要があります。
2工場の統合②
本社への製本移転について、社内レイアウトを検討しています。まず本社1階(現在は断裁・出荷・倉庫)に製本設備をすべて入れてしまう案を考えました。製本用の断裁機と作業台1つを除き何とか詰め込みましたが、これでは在庫品を保管する倉庫としての機能が失われてしまいます。一部はどうしても在庫品を保管するスペースを残す必要があるため、2階の印刷現場も視野に入れてレイアウトを考え直します。
2工場の統合③
大方の社内レイアウトができてきました。製本設備を本社1階と2階に分けて設置する案です。あとは作業の導線や動力電源と蛍光灯の位置などを現場と打ち合わせて、煮詰めていきます。スペースを空けるための、不用品の廃棄と在庫品の整理に時間がかかりそうですが、コロナ禍で仕事が少ない今だからこそできるのかとも思います。
年末年始のご挨拶について
新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、お客様とお取引き先様および社員の安全確保のため、対面しての年末年始のご挨拶を控えさせていただくことにいたしました。当社では今後も新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組んでまいります。何卒ご理解賜りますようお願いいたします。
2工場の統合④
断裁機2台はどうしても本社に入りきらないので、元々本社にある大きいサイズの断裁機のみを使用しようかと思っています。本社の断裁機では印刷前の大断とチラシなどの仕上げを行っていますが、性能的には帳票の精密な断裁にも対応できるはずです。心配なのはクランプ(押さえ)による感圧紙の発色です。まずは製本工場で行っているのと同様にクランプ圧力3で複写伝票を断裁してみましたが、バッチリ下の紙が発色してしまいました。予想通りメーカーの違う断裁機では圧力のかかり方が違うようです。次に圧力2でも発色してしまい社内レイアウトの考え直しが頭をよぎりましたが、圧力1で発色せずに断裁することができました。ただし圧力1だと押さえる力が弱く、「かぶり」と呼ばれる真っ直ぐに断裁できない現象が起こる可能性があります。今回のテスト品では真っ直ぐに断裁できましたが、さらに試験を重ねる必要があります。実際に受注した印刷物での試験も視野に入れて、安全性を確保してから工場の統合を進めたいと思います。
印刷会社として
当社は今までお客様のビジネスパートナーとして迅速な対応、安心の品質でお応えできるよう努めてきました。平時にはそれである程度の成果を得ることができましたが、このコロナ禍においてはこれまでの常識が通用しなくなってきていると感じています。以前よりお客様のソリューションを見つけ出し提案する事業について考えてきましたが、自社の強みを生かす良い案がなかなか出ませんでした。そんなとき取引銀行の支店長と話す機会があり、地域に根付いた強みを生かして新しい事業を模索しておられることを聞きました。その中で「お客様に喜んでもらう」ことをベースにしているという考え方が、私の中で腑に落ちました。これまで考えてきた、対応、品質、事業はどこを切り取っても自社のあり方に意識が偏っていたことに気付きました。単純なことですが改めて「お客様に喜んでもらう」を意識しながら取り組んでいきたいと思います。
2工場の統合⑤
これまで本社の1階はスペースの大半を倉庫として商品を在庫し、随時出荷するために使用してきました。今回製本設備を本社に移すにあたって、倉庫としての機能を一部残す必要があるため1階は製本工場+倉庫になるのですが、現状考えているレイアウトでは製本が完了した商品を出荷までの間一時保管しておくスペースが足りないことに気付きました。問題として挙げられた1つに、当社のあまり広くはない本社に対して横型丁合機(アスターボーン)のサイズが大きすぎることがあります。アスターボーンはカーボン伝票の丁合には欠かせない存在ですが、縦型の丁合機で代用できないか検討を始めました。カーボン伝票を扱っている数社に相談しましたが、解決の糸口を見つけることはできませんでした。ある製本会社では縦型の丁合機で丁合を行っていましたが、カーボンで汚れるローラーをアルコールで拭きながら作業されているようで、通常の倍ほどの時間がかかっているとのことでした。また別の印刷会社では当社と同じようにアスターボーンで丁合を行っていましたが、話を聞く中でこの丁合機は生産が終了していることから故障の際の修理や部品の確保に苦労しているという別の問題も浮き彫りとなりました。製本工場の移転には様々なハードルが残っていますが、最初から簡単にはいかないだろうと予測はしていました。1つ1つ問題を解決し移転を進めていきたいと思います。
「えべっさん」への参拝
1月9日に「えべっさん」に行ってきました。混雑を避けるため朝早めに行ったのですが境内の外まで長蛇の列ができていました。今年一番の冷え込み(最低気温マイナス2度)でくじけそうになりましたが、まずは参拝の列の最後尾へ。境内の密集を緩和するために整列を指示しているようでした。確かに例年は超密集の無法地帯になっていてスリにも気を付けなければいけません。いつもよりマシかと思いながら、意外と早く10分程度で参拝することができました。コロナ禍の終息を願われた方も多かったのではないでしょうか。次は福娘から笹を買う列へ並ぼうとしましたが境内から外に出ても最後尾が見えません。角を曲がったところでようやく並ぶことができたのですが、ここからの待ち時間が長く笹を買うのに30分ほどかかりました。最後におみくじを引いて開店前の屋台を見ながら帰りました。近年屋台は飲食系が多い印象でしたが、今年はスマートボールや的当てなどが増えて遊びも充実しているようでした。
帯かけ作業
2月6日(土)に製本工場で帯かけ作業に参加しました。土曜日の出勤は昨年の4月ぶり、帯かけに至っては学生の頃に手伝った以来なので20年ぶりでした。思い出しながらモタモタ作業をしていると、バイトの女性は私の3倍の速さで作業を進めていました。私は両手で1束(50組)を取り、両手で帯かけ機にセットして手動スイッチを押すのに対し、彼女は左手でノールックで束を取り、右手でセットしてオートスイッチで帯をかけていました。1日作業をしていると私もずいぶん上達しましたが、背中に力が入って筋肉痛になってしまいました。この日は工場の作業員がどのように動いているのか見ることもできて良かったと思います。
帯かけ作業②
2月11日(木・祝)と2月13日(土)も帯かけをしました。黙々と単純作業を行うのもだんだん楽しくなってきました。帯かけ機は日によって調子の悪い時があり、帯テープが十分に送られて来なかったり中で詰まってしまうことがあります。それが何回も続くと、束の置き方を変えたり引き締めの強さを変えたりするのですが、一度機嫌を損ねると何をやっても状況が良くなることはありませんでした。そして無言の苦闘を続けていると、あるタイミングで急に調子が戻ります。テープの残量が減ってくると重量が軽くなり送られやすくなるようです。以前からこのような不具合は報告されており、何度か修理をしてきましたが実際に体験すると現実味が違います。帯かけ機内部のローラーが、摩耗によりテープを送る力が弱くなっているとのことでローラーを交換しましたが、改善されたのは交換してからしばらくの間だけでした。今はさほど摩耗していないはずなのに時々調子が悪くなります。また「テープの調子」もあるように思いました。テープがなくなり新しい袋から出して使い出すと、思いのほか調子が良かったりします。大きくは機械の老朽化が原因かと思いますが、これ以上状態が悪化し作業の効率が悪くなるようであれば、新しい機械の導入も検討しなければなりません。
事件
2月に入って、雨が降っていないのに会社の前に水たまりができるようになりました。エアコンの室外機の真下であったため、水滴が溜まったのだろうと誰も気にしていませんでした。2月の中旬にさしかかった頃、水たまりの範囲が広がってきているなと思っていたら、小さなマンホールから水が浸み出ているのを社員が発見しました。急いで水道屋に見てもらうと当社の水道管には問題はなく、道路の下の水道管(本管)が原因と分かりました。水道局に連絡し2/23(火・祝)に工事に来てもらうことになりました。ところが2/19(金)に事件が起きました。朝7時半ぐらいに出勤した時には特に変わりはなかったのですが、9時頃にたまたま様子を見たらマンホールから勢いよく水が流れ出し、アスファルトの隙間や社屋と地面の間からも湧き出ている状態で、あたり一面が水浸しになっていました。様子を見に来た近所の方と「こんなことある!?」と顔を見合わせました。とにかく社内への侵入を防ぐため、ポリ袋に水を入れた水嚢を事務所と作業場の入り口に並べ、近くの印刷会社さんから土嚢も借りてきてガードしました。そして11時頃には工事業者が到着し、昼過ぎには直してもらうことができました。今回はポリ袋の水嚢がファインプレーで、これがなければかなりの浸水被害があったと思います。何が起こるか分からないことを実感し、これからは土嚢を常備しておこう思いました。
下請けのお仕事について
近年、一般企業様では事務処理の電子化が進み帳票の使用が大きく減少しておられます。当社の受注はメーカー系、工業系、医療系、そしてメインとなる銀行系の帳票がほとんどとなっていますが、何とか新版の受注を増やそうと印刷会社様の下請けのお仕事をできないか模索してきました。私の取り組みとしては口コミや紹介を通して谷口印刷が帳票が得意であること業界内で知ってもらうことが第一歩で、このウェブサイトも一翼を担っています。帳票といっても色々あるので、つながりを持つことができたお会社様には当社がどのようなものを自社製造できるかご理解いただけるよう努めています。また下請けの仕事では従来の価格設定では受注することができないことも多く見積の難しさを感じています。見積の依頼主がユーザーから受けている案件なのか、それともすでに同業他社から受けている案件であるかによって受注可能な金額は変わってきます。「下請け初心者」の私にとってはまだ見極めが難しいですが、当社規定の最安値を更に下まわるの価格設定が必要だと思います。それと同時に提携工場の強化も進めています。様々な種類の帳票のご相談をいただくようになり、製造体制の多様化が必須となっています。
近況
一回目の緊急事態宣言が出たのがちょうど一年前で、多くの企業様が休業され仕事への影響が出始めた頃でした。この一年はコロナの影響をもろに受け、売上は前年比で約18%減となっています。印刷会社様からの仕事が少し増えてきて工場を稼働する一助となっていますが、まだまだ受注減の穴を埋められるほどではありません。数社から見積をさせていただくようになりましたが、完全に自社製造できる案件でないと受注できておらず価格競争の厳しさを実感しています。これまで提携工場の充実は当社の強みだと思っていたのですが、外注案件の受注が課題の一つとなっています。社内的には経費削減を進めていますが、休業補償を最大限に活用するため時短勤務や計画休業を行って何とか収支を健全化できるよう取り組んでいます。また助成金の申請には銀行などの承認が必要となってきており、取引銀行と連携しながら情報収集を行っています。ワクチン接種が始まりコロナは収束に向かうかもしれませんが、事務用印刷物は経費削減の流れで整理されてしまう可能性があり、仕事が元通りに戻る保証はありません。今後も仕事の確保と経費削減を進めていく必要があります。
2工場の統合⑥
2工場の統合については一旦頓挫しています。断裁機と丁合機のスペース確保の問題が解決しない中、今年に入って製本設備の半分を配置する予定であった1F倉庫が、在庫品で満杯になることが度々起こるようになったからです。従来から当社では一時在庫して随時発送していく商品があるのですが、一度に作成する数量がこれまでよりも増えているようです。在庫期間が短いリピート品については在庫費をいただいておらず、数量が増えれば単価が下がるためお客様にとってより効率の良いご発注数量へと変わってきているのかもしれません。旅行・イベント関連の受注が止まり、事務用印刷物も減少傾向ですが一方で増加している案件もあります。用途・分野によって明暗が分かれているように思います。
緑のカーテン
毎年夏になると、緑のカーテンとしてゴーヤを育てています。5月中旬に苗を植えると1ヵ月ほどで一面を覆うほどに成長します。ゴーヤの葉は日光を遮り外壁や室内の温度上昇を緩和するとともに、根から吸収した水分を蒸散して周囲の温度も下げているようです。ちょうど私の席はゴーヤのすぐ内側なので一番恩恵を受けています。収穫した実はスーパーに売られているものと遜色ないほど大きく育っているものもあり、しっかり苦くておいしいです。
社長1年目
社長に就任してもうすぐ1年が経ちます。コロナ禍の1年目となり非常に厳しい経営状態の中、名刺・WEBサイトのリニューアル、社内の整理整頓、下請けでの受注、経費削減、助成金の活用、社屋の統合などに取り組んできました。大きな実績を残すことはできませんでしたが、受注減に対して少しでも仕事を確保し経費を抑える施策を行ってまいりました。就任当初、安易に家業を継いで社長となった私は課題解決を試行錯誤しているつもりが、今思えば場当たり的な問題対処に翻弄される日々を過ごしていたように思います。経営の勉強をする中で「社長(商売+人)≠経営者(経営理念・経営ビジョン+長期視点の戦略+組織・マネジメント+ファイナンス・会計)」に気付くことができたのは大きな転機となりました。私は社長業を営んではいるが経営者ではないのだと気付き、形式知(書籍・講師)+実践知(体験)を基本に勉強し直すようになりました。組合での活動の中にこの学びにあたるものがあるということにも気付きました。経営理念・経営ビジョンを掲げ、業態変革による戦略を示し、社員の個別ミーティングを実施し、月次決算を確認するようになったのはつい最近のことです。これまではリスクを取らないことを信条としてきましたが、経営者としてはトライ&エラーを繰り返すことが重要だと考えています。
包装作業
8/16大量の包装作業のためにアルバイトを手配していましたが、急遽別の作業に手が取られてしまい私が包装することに…1日300包をノルマに数日間かかる日程ですが、私は学生の頃よく現場を手伝っていたこともあり包装には自信があります。単純作業も苦にならない性分で午後から黙々と作業を続けました。8/17からはアルバイトの方が復活して順調に作業は進行し、8/19には箱入れ、8/20に無事3分の1を出荷することができました。運送会社の積載量の関係で残りの3分の2は8/23に出荷となります。
新事業
これまで自社の強みである伝票印刷に特化した会社づくりを進めてまいりましたが、それでは縮小の一途をたどるのではないかという強い懸念を持つようになりました。コロナ前であればそういうやり方もアリだったのかもしれません。売り物は変えずに、売り方・売り先を変えていけばやっていけるのではないかという漠然としたイメージを持っていました。しかし今、まったく先の見えない時代に突入したと感じています。私は5年後、10年後の自社の姿を想像し新たな事業を始めることにしました。印刷物にこだわらずデジタルやリアルの分野におけるプロモーションサービスを、専門家との協業で確立したいと考えています。「あらゆる手段をもってお客様の課題を解決する」そういった取り組みです。今後は強みの伝票印刷と新事業で両利きの経営を進めることができればと思っています。
フリーランスのクリエイター
新事業を始めるにあたって5人の専門家の協力を得ることができました。5人に共通するのは皆フリーランスだということです。クリエイターとして独立して活動するには自身の腕一つでやっていく実力が必要で、個性と熱意も兼ね備えていると感じました。それでいて対応は柔和で皆若くして歴戦の雰囲気があります。それぞれに得意分野があり一人ひとりでも各所で活躍しているメンバーが、力を合わせればすごいことができるのではと思っています。私も今まで取り扱ったことがない分野への挑戦ということで、WEBプロモーション・マーケティングや新規事業・プロジェクト・デザイン・企画について勉強中です。
工場の稼働
夏ごろから工場の稼働率が低下傾向にあります。もともと8月は1年の中で最も受注の少ない月ではありますが、前年と比べてもさらに少ない状況です。コロナ流行当初から受注の減少はあったものの横ばい状態でしたが、ここ最近は合見積での競争が激しくなり新版の受注が難しいと感じることが増えてきました。また当社の主力商品である伝票が、企業様で経費削減の対象となっている可能性もあります。そこで当社では工場の稼働率を回復させるため自社製造の印刷・製本価格の見直しを行っています。これまでは3段階の価格表を使って見積をしていました。高い方から一般価格、通常価格、特別価格の3種類になりますが、近年では一番安価な特別価格しか見積に使用していませんでした。それでも受注が難しい状況だということでさらに4つめの価格帯を検討しています。仕入と売値のバランスが悪くなるためこれまで値下げには抵抗がありましたが、工場を稼働しないことには収入は「ゼロ」です。コロナ流行をきっかけに事業の衰退期に大きく傾いたことを認めなくてはなりません。
マンガ制作
先日偶然、マンガの制作をしているお会社と知り合いました。所属するマンガ家さんが本業の合間に広告用のマンガを制作しているようです。ちょうど新しい事業を始めるにあたって「なんでもできる」ようになろうと腹を決めていた私は協力をお願いすることにしました。広告マンガにはターゲットにマッチした絵柄、感情移入しやすいストーリー、綺麗で目を引くイラストの3つが必要で、しっかり設定したキャラクターは企業とともに成長すると教えていただきました。最も大切なのはお客様の目的やマンガを使って何を表現したいのか徹底的に打ち合わせすることで、ヒアリングを重視する方針にはとても共感しました。私も新事業においてはマーケットインが基本と考えヒアリングを始めましたが、お客様の事業に深く入り込めておらず潜在的なニーズを掘り起こすのは非常に難しいと感じています。しかし当社にできるサービスが増えれば、お客様のニーズを発見するきっかけになる可能性があります。プロダクトアウトの根底にもお客様やお客様のユーザーのニーズがあるのではと思います。
ディスプレイ、ポップ
厚紙を使ったディスプレイやポップを製造している工場と、シールを製造している工場にお邪魔してきました。もちろん新事業に協力いただくためですが、当社が弱い分野からチームを補強していけたらと思っています。厚紙を使用した組み立て式のディスプレイでは、カードを差し込むと商品が出てくるギミックを見せていただきました。中を見ると輪ゴムを使った簡素な仕組みでしたが、そのアイデアと技術力に驚かされました。厚紙にしてもシールにしてもプロモーション用といえばポップの需要が多いようです。シールのポップは商品に接着する部分と、商品からはみ出して人目を引く部分がありますが、はみ出す部分は接着しないように糊が付いていません。これは後から加工するのではなく用紙からの製造で、糊の付いている部分と付いていない部分のある用紙を先に作り、そこに印刷して最後に切り抜き加工という流れになります。数分の話の中で私の知らない商品知識がたくさん出てきて、経験のない者が安易に手配することは難しいという思いと、これらを当社のサービスとして提供できたらと思うとワクワクする部分がありました。お客様へのヒアリングを通して、従来から作っているもの以外はあまり期待されていないのかなと感じることがあります。異業種の土俵に上がるために、他社との協業で従来のイメージを払拭できればと思います。
思考錯誤
新事業としてプロモーションサービスを売り込む中で、お客様の課題や需要が顕在化しない状況が続いています。恐らく私自身が、新たに得た力(協業による異業種のチーム)がお客様にとってどういう意味を持つものなのか、良く理解していないからではないかと思います。当社の強みである伝票印刷についても同じことが言えます。得意な伝票を当たり前に作る中で、当社の伝票がお客様にとってどんな価値があるのか深く考えることはありませんでした。先日、当社でもやっているナンバーリングについて教えてもらうことがありました。伝票ユーザーにとってナンバーは偽造されないためのセキュリティーであると。少し考えれば分かるであろうこんなことにも思い至らず、ただ正確に間違えないよう連番を打つことに精を出していたのです。セキュリティーといえばコピー牽制やホログラムなどがありますが、ナンバーリングほどシンプルで安価に施せる偽造防止はありません。新事業にしても当社の強みにしても、お客様との関係の中でどのような意味を持つのか考え抜くことで潜在的な価値やニーズに気付くことができるのかもしれません。
新事業②
広告・宣伝の領域での新事業について構想・設計を始めてから半年が経ちました。デジタル・リアルのプロモーション、パッケージ、ノベルティ、装飾・施工など、伝票屋の当社にしたら従来では考えられないほど広範囲のサービスでアライアンスを交わすことができました。その反面、既存のクライアント様へのヒアリングでは異業種への参入にあたって競合他社に対して優位性が全くないという課題も浮き彫りとなりました。実績がない現状は失敗を続けているということになるのだろうと思いますが、失敗も前進だと考えるようにしています。今後は優位性のある市場を見出すことと、競合先との違いをつくることにフォーカスしていきたいと思います。また、現状軸足を置いている伝票印刷の深耕も疎かにならないよう事業を進めます。
物流サービス
これまで印刷事業の左右にあたる周辺サービスに焦点を当ててきましたが、お客様の課題解決に必要なのは多様なサービスの水平展開だけではないと感じています。今、ある商品をお客様の事務所で在庫するのが負担になっているとの声に、物流サービスを提案しています。当社で商品を一時在庫して必要な時に必要な量を納品するといったものですが、従来よりも一度に製造する数量を増やすことができコストを抑えることもできます。当社の小さな社屋では在庫できる数は限られますが、このような印刷の前後のサービスにも今後の事業展開のヒントがあると考えています。
DMを使った販路拡大
DMを使った販路拡大を計画しています。捨てられないDMをコンセプトに、コールドフォイル(疑似箔)とニスの疑似エンボスを駆使した美麗かつインパクトの強い仕上がりになる予定です。今回の取り組みは当社が今まで経験したことのない「0から1を生み出す」作業です。このような特殊な加工は取り扱ったことがなく、データ制作にあたってはデザインの版、箔の版、ニスの版をどのように効果的に表現するか暗中模索しているところです。DMもただバラ撒けばよいということではありません。基本的にお客様はセールスされるのが嫌いです。私(当社)はあなた(御社)にとってどのように役に立つことができるのかといったストーリーが重要になります。ただ1社のために特別なDMをお届けする。そこから広がる新たな人間関係や印刷物にこだわらないサービスでお役に立つ当社の「0から1になる」姿を想像するとワクワクが止まりません。
DMを使った販路拡大②
完成形を100%イメージできない中、できあがったDMは予想以上の仕上がりでした。まずは同業の経営者仲間にお披露目。プロの目から見てもなかなかの好評で、フォイル(キラキラ)とニス(デコボコ)の加工もさることながら、特にデザイン性についてお褒めいただきました。質感の異なるいくつか層を作り、それぞれの層が互いに引き立てあうようになっています。(※詳細は下記)営業ツールとしてのDMですが、初めて経験する製品づくりを通して、ものを作る楽しさを感じることができました。
※外側から…
一層目:4色+はじきニスのエンボス(ザラザラ触感)
二層目:4色+コールドフォイル(キラキラの箔)+ニスベタ(ツルツル触感)
三層目:4色+はじきニスのエンボス(ザラザラ触感)
四層目:印刷なしの白文字+ニスベタ(ツルツル触感)
五層目:4色+コールドフォイル(キラキラの箔)+はじきニスのエンボス(ザラザラ触感)
ロゴマーク:4色+コールドフォイル(キラキラの箔)+ニスベタ(ツルツル触感)
創業100年を迎えました
当社は今年2023年で創業100年を迎えました。大正12年、曾祖父がJR福島駅の南側、国道2号線の付近で創業したと伝え聞いています。1950年に会社組織を設立、今の新社屋に移転してきたのは1965年です。企業寿命の平均が約34年と言われる中、100年間同じ事業で会社を続けることは稀だと思います。それだけ印刷産業の繁栄が長かったのだと言えますが、成長し続けてきた100年ではありませんでした。1990年代以降はゆるやかに衰退を始め、今ではピーク時の半分程度の市場規模となっており、同業者の廃業を数多く見聞きしてきました。近年ではコロナ禍でペーパーレス化が急速に進み、印刷物の需要は急減しています。さらに地政学的な変化により、印刷に関するあらゆる材料が高騰し需要の縮小に追い打ちをかけています。3年前に代表取締役となった私は慌てて経費削減に奔走し、変革を求められているわけですが、10年前に入社していたことを考えると、会社経営の「当事者」になるのが少々遅かったと反省しています。ゆるやかに減少していく印刷需要に気付きながら、長年同じことを続けてきました。しかし急速な情勢の変化によって会社が変わるチャンスを与えられたとも考えられます。いきなり大きく変革し成功を収めることは不可能ですが、少しずつ変わっていくことが肝要だと思います。
DMを使った販路拡大③
さっそくDMを見たという企業様から問い合わせがありました!DMからの導線でWEBサイトも見ていただいており、当社がどういう印刷物を取り扱っているか分かったうえでの問い合わせで、見積から受注までのプロセスをスムーズに進行しています。しかし今年に入って使い始めたこのDMですが、まだ20枚程度しかポスティングしていないのに反響があったのには驚きました。なぜ20枚かというと、私が自転車でポスティングして回っているからです。一斉にバラまいてしまうのはもったいないと考え、時間ができた時に地元で、時には取引先訪問の近辺で、気になったお会社へ投函しています。用紙価格の高騰が続き、仕入れ先の見直しを検討されている企業様も多いのかもしれません。
大阪市役所での展示
2023年9月4日~8日の5日間、大阪市役所1階ロビーで剣道の大会を告知する展示をやっています。大阪市と公益社団法人大阪府剣道連盟様の主催で、9月17日舞洲アリーナにて小・中学生の全国大会である「全日本都道府県対抗 少年剣道優勝大会」が開催されます。当社においては「新しいお仕事を」というコンセプトを打ち出すの中での今回のご依頼に、はりきってお手伝いさせていただきました。第11回大会以降はプログラムの表紙に少年・少女剣士が描いた絵を採用しているのですが、今回は市役所を訪れた一般の方にも次回大会の表紙絵を選んでいただこうという企画です(写真左は今大会の表紙絵)。応募された絵に赤いシールを貼って投票できるようになっています。もし市役所に行かれることがあれば、ぜひ展示コーナーに立ち寄ってみてください。
伝票の厚み
先日急遽、3枚複写×100組の伝票が4枚複写に仕様が変わるということで、変更指示をして順調に作業が進行していると思っていた矢先、製本工場から内線が…。元々20㎜の厚みであったものが25㎜になりマーブルを巻けないと言うので急いで現場に向かいました。まず常備している45㎜幅のマーブルテープでは幅が足りておらず50㎜のものを発注するよう指示したものの、マーブル巻機を見ると25㎜が機械を通るかどうかはギリギリのところでローラーに接触してノーカーボン紙が発色してしまう懸念がありました。マーブルを巻けたとしても厚みが増えたことで仕上げの際に背割れする可能性もあり、今回は仕上断裁をした後に1冊ずつ手作業でマーブルを巻くことにしました。毎回こんなことをやるわけにはいかないので、協力工場に相談しつつ自社工場でも何か良い方法がないか模索しているところです。
シバンムシ
昨年の夏ごろ、社内の階段に小さな虫が大量発生する事件がありました。1㎜~2㎜ぐらいの大きさなので数が多くなければ気が付かないほどでしたが、放置していたところかなり多くなってきたので殺虫剤を使って駆除しました。シバンムシ(死番虫)の名前の由来は英語名「Deathwatch」からきていて、たくさん発生するとカチカチという音を出すためヨーロッパではこの音が「死神が持つ時計の秒針音」と表現されたようです。そして1年経った最近、またシバンムシを見かけるようになり数が多くないうちから駆除しなければと対応しました。発生源が分からずとにかく怪しいところにはすべて殺虫剤(昨年よりも強力なやつ)を撒いて今では1匹も見かけなくなりました。来年は出てこなければよいと祈っています。名前も不吉ですしね。
大阪市役所での展示2
昨年初めてお手伝いさせていただいた、大阪府剣道連盟様の大阪市役所での展示を今年も2024年9月2日~9月6日にやらせていただくことになりました。昨年、市役所を訪れた方による投票でプログラム表紙の絵を決める企画をやりましたが、添付の表紙がその時選ばれたものです。大阪府の中学生が、良い仲間であり切磋琢磨するライバルを描いた作品で、何だか感慨深いものがあります。もし大阪市役所に来られることがあれば是非、子どもたちが描いた絵を見ていただけると嬉しいです。また今年も9月15日には舞洲アリーナにて「全日本都道府県対抗 少年剣道優勝大会」が開催されます。少年剣士・少女剣士の真剣な試合は感動的です。